人(ちゅ)になった自分を人(ひと)だった自分が追いかけてきた

2019年の年の瀬は、声優オタクにとって衝撃的な1週間となっただろう。

りっか様によるオリックスの若月選手との結婚発表。戸松遥竹達彩奈とアイドル的な人気を全面に出している声優の結婚が続いていた2019年ではあるが、最後の最後に爆弾が落ちてきた。たまにノルソル聞く以外は特に立花理香さん本人のコンテンツを追っていない自分にとって、シンデレラガールズの野球コラボはこんな形でコネクションになったんだなあという驚きこそあれど、大したショックはなかった。

2019年末は立花理香の結婚に続き、女オタどもに勝ったなガハハこと千本木彩花さんが男性声優の畠中さんとの結婚発表、ちなヤクおばさん松嵜麗も野球関連で知り合った男性と結婚発表、木村珠理が結婚&第一子出産報告、自身のラジオ配信を畳んでスタッフから結婚祝いをもらったなどと噂があるように、女性声優の結婚報告が雪崩れ込むように発表されて、なかなかすごいTLが形成されていた。

そんななか、ひとしきりの情報が出揃ったと思われたところで突然発表になったのが洲崎綾さんの結婚報告だった。
洲崎綾といったら僕がシンデレラガールズに真剣だったころの担当、新田美波さんの声優。そこで知るようになって以降は、ラジオを聴くとかアニメも見るようになった。洲崎さんは、最近のアイドル化する声優業界でも怯まずに「結婚したい」と発言したり、ラジオでも結婚相手募集企画とかやったりと攻めっけのある声優さんで、そんな彼女の突然の結婚報告は寝耳に水だった。
僕はtrysailにこそ真剣で、ナンちゃんとかもちさんが結婚したら気絶してしまうかもしれないが、洲崎さんに追ってるものはloveじゃなくてlike(高坂麗奈感)、アイドル的な視点で好きって訳じゃなかったから何もないと思っていた。

しかし、なにか釈然としない気持ちが渦巻いている。この感情はなんなんだろうか。直面したために整理してみた感想が「陰の者にとっての高校時代の恋愛」だと思う。
洲崎さんは結構最近まで、彼氏どうこうとか結婚どうこうという発言をしきりにSNSや配信に乗せていた記憶があるし、スキャンダルもボロもほとんど出さずにここまで来ていたなかでの今日の発表。結婚を前提にお付き合いしている人がいたなかで綺麗に取り繕って今まで通りを押し通してきていたと知った。洲崎さんにそこまで真剣な何かがあったわけじゃないが、フリーだと思っていた気になってた人に相手がいたことをはじめて知ったらこう思うのかな、という感覚。浮いた話なんていつが最後なのか思い出せない自分。雰囲気にあまり馴染めなかったがために、真面目に勉強することと趣味縁だけで乗り切った大学生活の4年間を終えて、今だと奇人変人扱いされている今のふみんちゅとしての自分にはそれなりに満足していると思ったのに、こんなしょうもないことが引き金で「普通のレール」に羨望を求める自分を見せつけられた。陽キャは高校時代の恋愛を取り戻せない美しいものだと言って持て囃すらしい。自分は高校時代の恋愛から1歩も進んでいない。これからどうするんだろう、という感情だけがあふれでた2019年の暮れだった。