赤青バスターリペア調整録
制限カードがかかって弱体化したデッキってかなり回したくなるんですが、もしかして僕だけですか。
ウララーやワルスラ、ニヤリーゲットが制限になった第1週目に開催された第11回さくらCSに参加してきました。そこで使った「赤青バスターリペア」について色々書きたいと思います。
1 なぜバスターを練ることにしたか
新制限が施行されたのは今週ですが、発表自体は先月のWHF内で行われていました。そのため、既にdmvaultなどではニヤリーゲットらがなくなった後の環境が試験的に大会で導入されていました。
当初はリアルの動きと同じように赤単ブランドやロージアなどが有力視されていたものの、時間の経過とともにドギラゴンバスターが増加していきました。
当初デスザークを使うことを検討していた自分にとって、バスターの増加は喜ばしいことではありませんでした。しかも、増加したバスターは白を採用したタイプが多く、ミクセルや防鎧、オリオティスジャッジなど、従来仮想敵として存在していた赤青バスター以上にデスザークにとっての脅威や裏目が存在するデッキになっていました。
そのため、ここからはバスターに勝てるデッキを模索していくことにしました。バスターに勝てるデッキを模索する上で求める要素は
・ミクセルや防鎧に弱くない、もしくは出されてもある程度処理できる
・ジャミングチャフが通ったら負け、というようなことがない
・オニカマスまたはデスマッチビートルを採用できる
・デモンズライト、GWDのように早い段階から盤面の小型クリーチャーに干渉する手段がある
あたりを課題にいくつかアーキタイプを検討しました。しかし、このハードルは思っていたよりずっと高く、ほとんどのデッキがこれらの課題をクリアできずに没になりました。それでも、ひとつだけこの課題を解決してくれそうなデッキが見つかりました。それが「ドギラゴンバスター、特に青を採用したもの」だったのです。
2 先行しているリペアへの不満
ドギラゴンバスターというアーキタイプは人気も実力もあるため、一気に研究が進んでいきました。前環境では赤青に対する優位性が弱く十分に活躍できなかった赤緑白(リース)タイプだけでなく、環境第1週目の土曜日付けで赤青のデッキパワーの不足をシドやオリオティスジャッジ、メメントでカバーした赤青白(トリコロール)タイプも登場し、早速結果を残しました。
これらのデッキを自分でコピーし回してみるといくつもの疑問点が出てきました。
① リース剣への疑問点
・トゥリオが遅い
遅い相手にジャミングチャフを使うから、トゥリオで恒久的なドローソースにすればいいというアプローチは構築としては噛み合っていると思う反面、仮想敵はバスターなんだから遅いところばかりに強くなるトゥリオである必要に乏しいなあと感じた。
・ジャミングチャフ+バルチュリスを揃える負担がかなり重い
手札にバスター+バルチュリス+ジャミングチャフを構えつつ5マナ用意し、場にクリーチャーを2体並べるというコンセプトがリソースをプラスにするカードがトゥリオしかないデッキではハードルが高すぎると感じた。これを決めたい相手だからといって設計図でトゥリオを回収するのもなかなか違和感があった。
② トリコロール剣への疑問点
・マナセットに裏目がある
多色の枚数とかマナベースはギリギリ許容できるものの、初手でレティーシャをセットするとグレンニャーが、バスターをセットするとドレミが出ないなど、ちょくちょくマナセットに裏目がつきまとうことがありました。また、2ターン目の動きにドレミを選択すると次のターンに仮にドルガンチュリスをプレイしようとすると赤単色が要求される、グレンニャー→シドの場合も青単色もしくは白単色が要求されるなど、見た目以上にガタガタの色基盤に不満がありました。
・バスターがなかなか走らない
赤青バスターのウィニービートという面を伸ばそうとしたトリコロールバスターでしたが、デッキからバスターのパーツを探す手段が全てキャントリップになってしまったためドルガンバスターが揃うということがあまり起きないなあという感想に。ただ、ここはメタビートとしてのこのデッキの特性を正確に把握できてなかっただけかもしれないので要検討。
3 赤青バスターリペア爆誕
上に書いた2つのアーキタイプの利点を残しつつ、欠点の改善を試みた結果、前環境での赤青バスターをリペアしていく形が正解ではないかという結論に。そうしてできたのがこれ。
5-1からのさくらCS本戦1没
— 虚言者マリエル (@TGantinomy) 2018年7月16日
赤青バスターはじめて使いました
負けはトリコロール剣に小型引き損ねたのと同型
ブリキン将軍はぼちほち pic.twitter.com/VVlQeW5iAM
安定してバスターを走らせるために、限界までサーチにターンを使えるようにデッキ単位でバルチュリスをサポートすることを目標に構築しました。
採用カードについて
今までの赤青バスターでは見かけなかったところを中心に紹介したいと思います。
・ゴーゴージゴッチ
14枚目以降のバルチュリス支援ウィニー。バスターやチュリスなどのコンボパーツを回収して手札消費を取り返しつつしっかり打点にもなる。今回の構成だとバスターから射出する2打点にもブリキン将軍を採用しているため結構器用に振る舞えた。
・奇術士 ディール/本日のラッキーナンバー!
これはリースバスターの要素を取り入れての採用。ジャミングチャフの呪文封殺は少し過剰に感じたこと、手札に余裕がないなか5マナまで伸ばしていくのがなかなか難しいこと、クリーチャートリガーを蓋もできることから採用。バルチュリスに特化させたため噛み合いもよかった。ゴーゴージゴッチでサーチできないこともあり、ある程度素引きしたいため3枚。
・どんどん吸い込むナウ
後ろに寄せたデッキに対して役割を持つディールに対し、ミクセルやデスマッチなどボードでバスターの展開を邪魔してくるクリーチャーへの対処兼サーチカードとして採用。ここは今回のさくらCSで準優勝した水戸勢人事課さんによるアドバイス。
・超DX ブリキン将軍
ゴーゴージゴッチやバルチュリスとのシナジーを期待しての採用。複数枚絡むと宇宙。ドルガンチュリスからチェンジしてブリキン将軍をキャストして簡易ミシュラにもなるしバスターから射出して2点にもなる。色が赤緑なのでカマスで詰まっても最悪キャストしたりもできる。ただ爆発力が致命的にないでそこは一長一短。
不採用になったカード
・プラチナ・ワルスラS
今回の「バルチュリスを強く使う」というコンセプトを徹底するために最後の最後でバルチュリス4枚目に枠を譲りました。進化してしまうため横に展開していけない都合でバルチュリスやラッキーナンバーとあまり噛み合いがよくないこと、ゲームを決めきるまでは至らない1枚の積みカードでデッキプランが散らかるのを嫌った形です。ただ、雑に強いカードであるのは間違いないし実際にオニカマスで盤面が膠着した結果負けてる試合もあるのでもう少し考えてもよかったです。
・勝利の道標レティーシャ
1マナ目に置くとグレンニャーが出ないことに無限にひりついたので入れませんでした。デッキのテンポを重視して赤青にしてるということもあり、レティーシャを積むと一貫性がないなあと思いました。また、単純に6点で突っ張る動きが環境にマッチしてるとも思わなかったところもあります。
・勝利のアパッチ・ウララー
こっちも6点突っ張るリターンが乏しい印象を受けたことから不採用にしました。今回の試合中もここがウララーなら!みたいになるタイミングもほとんどなかったです。ただ、カードとして強いことは間違いないのでぶれ要素として残すのもありだったようには感じます。
4 終わりに
今回のリストは後ろに寄せたデッキやオニカマスを採用していないバスターに強く出ようと思い構築しました。その読みや方向、運にも助けられ予選は突破できましたが、同じようにバスターを意識してオニカマスを採用したバスターに負けてしまいました。お相手はオボロティガウォックのパッケージを採用していたため、カマスがにらみ合いになってもティガウォックやクロスファイア2ndで打点をしっかり組まれて負けてしまいました。
これから先、バスターの隆盛によってメタクリがオニカマスに変化していくと、オニカマスへの対処に乏しい今回のリストはもう使えないかもしれないなあ、と思い公開しました。ただ、手応えはそれなりにあったのでこれからも機会があれば持ち込みたいなあと思います。ゴクガロイザーハンデスの時はこういってその後一切使わなかったな?
最後に、今回のリストのブラッシュアップを手伝ってくれたゆっきーさんありがとうございました。改めて準優勝おめでとうございます。