黒単デスザーク まあまあ解説
お久しぶりです、わたみんです。
先週の日曜日、カレールーライスでおなじみのげんじさんとドミナリアから帰ってこないチヒロくんと組んでおやつCS関東に参加してきました。
チームのデッキ構成は当初赤青バスター2面黒単デスザーク1面でしたが、GWDが足りないとかなんとかで急遽チヒロくんがげんじさんの黒単デスザークを借りて出ることになり、デスザークのプレイの経験が浅いチヒロくんの回す手助けになったらいいなと思い色々書いて送りました。
そうしたら、なんか巷でデスザークの解説記事が話題に。結構な量書いたし、そのままデータ消すのももったいないなあと思い、編集してブログに残すことにしました。
1 黒単デスザークとはどういうデッキか?
黒単デスザークは、新DM04魔で登場した「卍 デ・スザーク 卍」と魔道具クリーチャーによって構成された、ソフトロック要素を持ち合わせたビートダウンデッキです。
具体的には相手のクリーチャーを破壊する魔道具によって相手のテンポを乱しながら自分は墓地を肥やして条件を整え、早期のデスザーク着地によるタップイン能力で相手のデッキコンセプトを機能停止させます。
そして、デスザークによるソフトロックをタイガニトロなどによるメガハンデスで支援し、デスザークの処理を困難にしつつ、小型クリーチャーによるビートダウンで勝利を目指すデッキです。往年のデッキタイプでいうと、ハンデス要素のあるビートとしてはオール・イエスに近いところもあるし、ソフトロックという意味では緑単サソリスのギョギョウに近いところもあるかもしれません。
2 黒単デスザークの強み、弱みはなにか?
今、黒単デスザークを使用する魅力は、環境の上2つに強く出られるコンセプトだと考えます。
現環境において支配的なアーキタイプは何かと考えると、十中八九赤青バスターとジョーカーズの二つになるだろうと思われます。デスザークは、この2つに対しある程度の有利を確保できています。
赤青バスターの攻め手のひとつであるワルスラビートはデスザーク側に潤沢なリソースをもたらし、デスザークの着地をかえって支援しかねないためあまり有効ではありません。また、ドルガンチュリスによる即時的な打点形成はデスザークが着地することでシャットアウトできます。
ジョーカーズが持つ横並び戦術も、動きの起点となるヤッタレマンをドゥシーザやドゥポイズで除去できることでジョーカーズは一番強い動きを通すことができなくなり、チョコっとハウスによるマナ加速から9マナに到達してジョラゴンjoeを狙うといった不本意なゲームプランを強要できます。
バスターまたはジョーカーズのどちらかに有利であるという謳い文句で出てくるアーキタイプは多いですが、往々にしてどちらかを対策するとどちらかと対面するときに致命的な欠陥を抱えがちです。両方にここまで明確に勝ち方を用意できるアーキタイプは、デスザークを除くとおやつCS関東で3位に入賞したトリーヴァシャコガイルくらいまで寄せないと厳しいと考えています。
反面、黒単デスザークはデッキの強みの大部分をデスザークとタイガニトロに依存しているため、この二つが刺さらない相手には苦戦を強いられます。
アナカラーシャコガイルやジャバランガループ相手は特に悲惨で、デスザークのタップインはどちらを相手にしてもほとんど関係ありません。
タイガニトロについても、シャコガイル相手にはバイケンによって手札をキープされることでグリペイジが十分に機能しなくなり、ダイスベガスに屈することになります。相手はこちらの場にいるかぎり任意のタイミングで除去を飛ばしつつSA2打点を生み出すこともできるため、ニトロのせいで逆に殴りきられるリスクもあります。
ジャバランガについても、コンボの始動は手札の戒王の封以外は全てこちらが干渉できない墓地に用意されてしまうため、タイガニトロで機能停止とまではなりません。こうしたデッキが隆盛するなら、黒単デスザークはベストデッキたりえません。
3 魔道具について
アーキタイプの説明はおおまかにしたので、ここからは構築についてお話していきます。そのなかでも、デスザークというデッキの大部分を占める魔道具についてです。
そもそもなんでそんなにデッキの魔道具の数を意識するのか。その理由は、デスザークを早いターンに安定して着地させることがデッキの強さに直結するからです。
デスザークが着地してほしいターンは何ターン目かについて、僕はとりあえず4ターン目というのを目標に設定しています。これは、ジョーカーズがパーリ騎士やチョコっとハウスでブーストしたあとにガヨウ神をキャストするターンが4ターン目であり、赤青バスターがGWDで盤面を破壊しつつ手札を整えるターンがこの4ターン目であるからです。Tier1である2つのアーキタイプは、4ターン目を境に手札の質を劇的に高めてきます。ここまでにデスザークが着地できないと、あとは潤沢な手札から一気に走られて負けるしかありません。
墓地を肥やす魔道具は3コスト帯にグリギャン、4コスト帯にヴォーミラとヴォガイガの2種類で計3種。コスト軽減であるバギン16号を引いているか、素でグリギャン+ヴォガイガorヴォーミラをしていない場合は、1度の墓地肥やしでデスザークの着地を成功させなければならないゲームが一定数存在してしまいます。そうなったとき、魔道具ではないカードは全てノイズです。そのため、デスザークの構築においては魔道具の数は常に気にかけるべき要素となるのです。
目安は体感でも最低25枚程度かなあと。しっかり計算してある訳ではないので悪しからず。
4 どの魔道具を採用するべきか?
デッキスロットの大半を占める魔道具ですが、実際かなりの枠が固定枠として存在します。各魔道具がどのような意図で採用されるかについてお話したいと思います。
・堕魔 ヴォガイガ
墓地肥やし魔道具その1。魔道具界最強のカードパワーを持つため説明いらず。何故か魔道具のコストを下げる能力があるため、盤面0でもヴォガイガ→2コスト魔道具回収そのままキャストでデスザークが着地できるなど、展開だけでなくリカバリーにも万能。
回収効果も黒のカードならなんでも拾えるため、リバイヴや魔天といった呪文も回収可能。ヴェノミックハザード拾ってたオタクおるか?
・堕魔 ヴォーミラ
墓地肥やし魔道具その2。1ターンに1度、魔道具を墓地から召喚できる。デスザークの着地に貢献するだけでなく、デスザーク着地後の打点形成もできる。
2体並べることで、ドゥポイズとグリペイジをそれぞれ召喚し毎ターンハンデスしてタイガニトロで残った手札を狙撃したりもする。何回もプレイする手助けをしたりもできる。
・堕魔 グリギャン
墓地肥やし魔道具その3。3ターンでデスザークを着地させるというぶん回りルートに貢献できる唯一のカード。また、ブロッカーであることも心強く、タップキルのために隙をさらしたデスザークめがけてガンバトラーの7000パンプ込みでチョコっとハウスとかが殴り返したりしてきても、グリギャンならしっかりキャッチ。
・堕魔 ドゥシーザ
cipで相手のクリーチャーのパワーをマイナス2000する。ヤッタレマン、オボロ、グレンニャーをはじめ、同型のバギン、白単メタリカのクリスタなどを処理する。最近採用される小型は後のアドバンテージ源になったり軽減であったりするため、見た目以上に効果は強烈。2コストで自壊しない魔道具っていうのも貴重なためここ小町的にポイント高い。
・堕魔 グリペイジ
ランハン魔道具。さようならウエスタンバレル。
タイガニトロ効果で残った最後の1枚を叩いたりする。状況を選ばず気軽に使える強い効果ではあるが、一方でデッキの方針と大きく噛み合っている、ということもないのがマイナス。
・堕魔 ドゥポイズ
学校男魔道具。相手の初動を挫くという役割に留まらず、自分のデスザークをあえて巻き込んで破壊したあとに改めてデスザークを組み直すことで、デスザークの下に入る魔道具を後半プレイするビジョンが見えない魔道具を中心に、反対にプレイする見込みがある魔道具を墓地にキープするなどもできる。
・堕魔 ドゥンブレ
コダマンマ魔道具。手札を減らさずにキャストできる優秀な2コスト魔道具。3ターン目のデスザーク着地率の改善にもなってくれるし、ロージアなどにシールドに送るタイプの除去を打たれたとき、盾回収によって救出できる。
盾を回収することが極端に裏目になることはないが、ナッシングゼロで4点されると相手がジャスキルしてくるときの要求が場クリ2体になってしまうことには注意。
・堕魔 ヴァイシング
展開補助。主な役割はミラーや除去が激しい対面を意識した採用になる。キルやヴォルグが出せないため似ていると言うと語弊があるかもしれないが、リバイヴホールのような役割を担わせながら魔道具のカウントを嵩ましできるのもプラス。
あとよく見るとコスト4以下の魔道具以外を選んでそいつを手札に戻したりもできる。魔道具以外の追加のフィニッシャーにハインリヒダーマルクやザビミラなどを採用した場合に、ヴォガイガを介することなく回収できる。
5 終わりに
今回は黒単デスザークの基本の部分だけを解説ということで、数枠余ったスロットでどのアーキタイプを見て、どういったカードを採用するか?といった問題は割愛させていただきました。
採用するべき魔道具についても、ドゥグラスとドゥスンについては環境の変化次第では声がかかることもありそうです。
ガリュザークの効果が発表され、まだまだプッシュの続く魔道具たちとドルスザク。昨今のデザイナーズデッキのやりすぎ感を見ていると不安がよぎるところもありますが、現段階でも十分に魅力的であり、まだまだ強化が見込めるデスザークを、是非使ってみてはいかがでしょうか。