ゴクガロイザーハンデス調整録

GWというまとまった時間が確保できたため、この連休中に茨城CSと栃木CSに参加した。ここで使用した"龍装艦ゴクガロイザー"入りハンデスについて、自分の考えてきたことを文字に起こそうと思い今回ブログを更新した。


1. GP6thの結果を見て

GP6thが終わり、双極編1弾環境がある程度定義された。トップ8こそアナカラーシャコガイルや黒単デスザークのような「ジョーカーズに強く出られる(もしくはそう思われている)」デッキの躍進が見られた。しかし、ベスト64のデッキ分布でシェアが10%を越えているものはジョーカーズ25%、バスターとアナカラーシャコガイルが各15%、それにミラダンテ系が12%。この4つがシェアの6割を占めていた。個人的にはジョーカーズに決して有利がつかないと結論づけたアナシャコが3番手につけていたことこそ少し意外だったが、1番手2番手については何の疑問もなかった。


僕がこの時期躍起になって回してたのはロージアダンテ、特に青白黒のタイプであった。このデッキはバスターにこそ強く立ち回れるがジョーカーズには何をやっても有利がつかなかった。目標は「前環境のメタリカvsドロマーロージアくらいのラッキーパンチが通れば勝てるくらいで構わないので3割あわよくば4割」という低いハードルを設定して情でロージアを練り続けたのに、それすら満足に結果を出せないほどロージアの対ジョーカーズの不利は歴然だった。対アナシャコについても、ミラクルスターとミラクルストップのパッケージは健在だが、ロージアを失った穴、ロストソウルという脅威は小さくなく、言われていたほどロージアの有利という認識にはならなかった。限界を感じるロージアは見限り、手持ちデッキを乗り換える必要に迫られた。



2. ロージアからハンデス

こうしてロージアを諦め、違うデッキを探す羽目になったのだが、手持ちはロージアの他にデスザークとハンデスのみ。この二つの手持ちの評価は

デスザーク

・バスターとジョーカーズには少し分のいい先手ゲーくらいの勝率は確保できる。しかし、3番手アナシャコにはどうしても不利になってしまううえ、上二つにも先手後手の影響が如実に出る割にTier2以下に不利な対面が多く存在している。バスターとジョーカーズを押し退けて使おうとは思えない。

・朱雀4、魔道具20数枚、バギン4、ニトロ4がほぼ確定枠の黒単デスザークにおける可変枠はどうやっても数枠程度であり、その上単色デッキであるため使えるカードプールも狭まってしまうこともあり、劇的な改善はほとんど期待できなそうに思えた。

ハンデス

・ゲットとガヨウ神という破格のリソース確保手段を持っているジョーカーズは不利。リソースを交換しつつ相手のマキシマム発動を遅らせてドミノで盤面を潰すというルートも失っているため苦手意識に拍車がかかっている。

・バスターもかつては有利がついていたはずが、プラチナワルスラというハイスペックなドローソースと妨害する暇さえ与えないドルガン+バスターのスピード。ジョーカーズほどではないが以前のように積極的に当たりたい相手ではない。


どちらもかなり致命的な欠陥を抱えているように思われた。しかし、前述したように朱雀は単色デッキかつ魔道具による枠の圧迫によって構築の幅の狭さが気になったため、残った時間は全てハンデスにあてることにした。それで納得いくものができなければテンプレの朱雀、もしくは仕方なくジョーカーズでも借りてじゃんけん大会に行こうという方針を確定させた。


3 ゴクガロイザー採用まで

ある意味朱雀以上の問題を抱えていたハンデスだったが、現状を打開するヒントはすぐに現れた。GP6th3位のチームのうちの1人がドロマーハンデスを使用しており、そのリストにゴクガロイザーが採用されていた。ゴクガロイザーは「強いけど悠長過ぎる」という評価だった自分にとって、このリストが結果を出したことにはかなり驚いた。ゴクガロイザーの性能にはまだ疑問が残っていたが、某ハンデス界のマシュ(?)からゴクガロイザーに注目してるという話を少し前に聞いていたこともあり、時間もなかったため、とりあえず2枚購入してさっそく使い勝手を試しはじめた。その時のリストがこれ。


GP3位のリストは革新的だったが、一方でいくらかの不満点が存在した。その最たるものが、ハンデスがわずか10枚ということだった。そこを改めるべく、ハンデス14というリソース消耗戦を戦い抜ける十分な本数を確保。さらにダイスベガス+ゴクガロイザーによる強固な受けを実現する光魂GOの採用。強そうな雰囲気にいきなり完成を見たか?と期待しつつさっそく実践。


まずは対ジョーカーズ。5tでダイス設置。返しに相手適当にリソース伸ばしてマキシマム1枚とガンバトラー。ダイス貫通して負け。


やっとの思いでゴクガロイザー着地。このときダイスなし。相手またリソース適当に伸ばしてマキシマムマキシマム。マキシマム直撃は即死してしまうためゴクガロイザーでチャンプブロック。2枚目のマキシマムの効果を受けた生物がトリガー貫通して負け。


全く勝てなかった。例え呪文の効果が2倍になってもそもそも受け札を使わせてくれる機会そのものがなかった。

ゴクガロイザーからダイスを使えば後ろに寄せられる、というのがいきなり幻だと悟り、次に作ったのがこれ。

この画像中ではオリオティスだが、白7でのオリオに全く期待できずに墳墓2に差し替えた記憶がある。もう少し前のめりに妨害を仕掛けて、リソース勝負していくことを意識した。また、そもそもゴクガロイザーが引けないといけないなという感覚が漠然とあったため、この段階で理由が明文化できていないことを感じつつもゴクガロイザーの枚数を3枚に増量した。


4. 茨城CSと赤青バスターの台頭


ここまでずっと、GP3位の元リストに則って青白黒3色で検討していたが、白をあえて採用する理由はオリオティスかオリオティス・ジャッジくらいしか見出だせなかった。そのため、茨城CSの前日になって白を全て切り、そこに役割の似通った青か黒のカードを入れてとりあえず構築を整えた。そして、このリストで茨城CSに臨んだ。

ゴクガロイザーで底上げされたデッキパワーはかなりのものだったようで、結果は5-1から本選で赤青バスターに0-2してベスト16。はじめてにしては上々な成果を出すことができた。

しかし、課題も見られた。ハンデスの本数とダイスもあるからある程度は有利だと思っていた赤青バスターに予選では1勝1敗、本選1回戦で0-2して通算1-3した。続くガンスリンガーで運営側のお手伝いをさせていただくなかでも赤青バスターに思うように勝ちきれず、負けが込んでしまった。試合が終わるまでTier1のアーキタイプとのダイヤを誤認するというとんでもないミスを恥じるとともに、時間の不足を悔やみ続ける結果となった。

5. 栃木CSのリスト完成まで

オニカマスという極端で使う相手も限られるカードはあるが、オニカマス自体はジョーカーズには全く刺さらない。同じアグロながらも全く違う特色を持つ2トップに挟まれた状況を打破できず、茨城CSが終わってすぐは完全にやる気を失っていた。

ただ、モチベーションはすぐに戻ってきた。5月4日のカンテラCSで、自分の茨城CS後に公開したリストから次元1枠を変えたリストでおうち選手がベスト8入りしたのを見て、ゴクガロイザーにはまだやれる地力があることを見せてもらえた。おうち選手に僕からこのリストが強いから使ってみてくれと打診したわけでもないので、これは純粋におうち選手一人の成果だ。しかし、前からハンデスを使っていたプレイヤーがほとんど同じリストで入賞しているというのは励みになった。

僕はその日の夜からバスターを長く練っているプレイヤー、ハンデスを長く使っているプレイヤー双方にお願いして意見をもらいつつ、バスターに対するプレイの考え方、勝ち方と負け方のパターンを修整しつつリストを完成させた。


環境に存在するアグロ2強を見たときに、ハンデス側にとって劇的に勝率を改善させるカードが取れるのはどちらか?と考えた末に、分かりやすくバスター対面を改善するオニカマスを採用することに。茨城CSの際は直前に白を抜いて青黒2色にした結果として、どうしても浮わついていた部分を削り、ジョーカーズ対面を維持しつつ赤青バスターのガードを上げることに努めた。


しかし、結果は本選3-3、サブイベント4-1とぱっとしない結果に。赤青バスターに強くするという目標こそ達成できたものの、ジャバランガやゲイルヴェスパーなど、ジョーカーズに勝算がないためいないだろうと思っていた対面にぶつかったこと、ゴクガロイザーをキャストするターンがどうしても無防備になり、トップデックするチャンスを1ターンほど与えてしまうという欠点が相手のトップデックと噛み合って負け、みたいなパターンが多発してしまった。



6. 各カードの採用理由

最後に、こうした経緯で完成した青黒ゴクガロイザーのリストについて少し解説していく。もっと早い箇所で書いておいて考えの変化を見るうえでの材料にしてもらうのがベターだと思うが、Tier1との相性を誤認するほど杜撰な時期もあるので、最終的にどう考えて現在の構築に至るかのみ書いていく。


特攻人形ジェニー 3

傀儡将ボルギーズ/ジェニコの知らない世界 3

ブレイン・タッチ 4

パクリオ 3


ハンデスは計13枚。他のデッキの2ブーストとは訳が違い、4tまでに2枚くらいは重ねたいのでこの枚数。
特攻とジェニコが各3枚なのは激天下でのリアニメイト要員としての特攻とゴクガロイザー下でスケルトバイスになるジェニコの価値をほぼ等しいものと見ての3:3。別に墳墓避けとかではないので今後呪文メタの流行りやボルギーズのバリューが上がることで4:2も2:4もありえる。また、ボルギーズは学校ドゥポイズと合わせてカマス+オボロ処理や相手のゴクガロイザーの処理もしてくれるのでなかなか便利。


ブレインタッチは4。それはそう。


パクリオは元々4だったものがオニカマスを採用するうえで泣く泣く3に。環境の2トップはジョーカーズとバスターと考えていたため、パクリオの4という重さが妨害し損ねることに繋がる可能性があるのを嫌った。
後手のジョーカーズ相手にガヨウ神を沈められる、アナシャコのバイケンやロージアの秘術を沈められるなど役割多数。ロージアやモルト覇も見なくなったので、エンドレスヘブンという裏目がないのもプラス。強いて言うならGWDの的にされて1ドローされるくらい。


学校男 2

堕魔 ドゥポイズ 2


ジョーカーズやワルスラを使うデッキの初動をくじくカード兼ゴキーン使い回し要員。受け札が機能しない以上は、積極的な妨害でテンポを取ってそもそも走られないように意識した。ゴキーン、ガロウズを使ったゴキーンロックに学校が墓地と手札に各1枚必要なのもあるので4積んであって刺さりが悪くても決して無駄にはならないと思い4枚。


デモンズ・ライト 4


これも特に言うことない。効果通りにリソース確保、先手4tでワルスラを処理、ゴクガロイザー下で唱えて4枚ドロー2面処理の反則カードになるし4。


悪臭怪人ゴキーン 3


呪文再利用、トップロック要員。ゲームに1枚絶対絡んでもらいたいので3枚はキープ。ゴキーンロック使ってた方なら特に問題なく扱えるはず。


超次元リバイヴ・ホール 3

超次元ガロウズ・ホール 1


ホールは合わせて4枚の採用。ゴクガロイザーによってかなりの勢いでデッキが掘れること、ホール1枚で2回分まで唱えられるので少し少なめ。ミカドホールは連打しても回収が絡まないことでシャチホコのリアニ先を確保する狙いがあったが、ゴクガロイザーで潤沢に確保したリソースで毎ターンカードをマナセットする余裕ができたので、もし不本意にリバイヴでクリーチャーを回収しても残ったマナで再キャストできていたので全てリバイヴに。


Dの博才 サイバーダイス・ベガス 3


なんだかんだ今回一番悩んだ枠。ガロウズの制限前、ダイスベガスはバスターウララーやネクストハートバーンくらいなら容易に受けきる強力なカードだった。そのため、5tでダイスベガスを設置することはハンデスがリソースの削りあいを終えて自身のリソース拡張もできるようになる上でのひとつのゴールになってくれていた。
しかし、今のハンデスがダイスベガスを5マナで設置したところで、確定除去は制限カードのガロウズとエタソくらいしかない。そのため、攻め手にとってダイスを張った程度では受け札としてのプレッシャーはほとんどない。これではダイスを設置することはガードグリップを使ってエンドしたこととなんら変わらないし、それならメタカードや妨害に枠を割きたいと感じ、今回はダイスベガスの枚数を減らした。
ただ、それでもある程度コントロールした盤面でダイスを張れるとロックがより強固になること、アナシャコや同型とのメンコにも対応できる枚数はキープしようと思い3枚は採用。


龍装艦 ゴクガ・ロイザー 3


今回の主役。自分のリソースを投げ打ってでも相手のリソースを削りきり、可能な限り早い段階でゴクガロイザーを着地させ、効果が2倍になった呪文ですみやかに相手のリソースを完全に枯渇、ロックを目指すのがこのデッキの方針。今までのハンデスのホールからのシャチホコ+ファルピエロ、ダイス設置のように擬似的とはいえ恒久的にリソースを拡張していくポジション。ゲーム中絶対に1枚絡んでほしいので3。


コラプス・ウェーブ 1

英知と追撃の宝剣 1


マナ否定戦略のための2枚。コラプスウェーブはゴクガロイザーとのシナジーの強烈さや自分のマナのマナ回収をしながら相手のドローロックもできるため1枚採用。違うカードでホールの5枚目にしたような使用感。

宝剣もダイスから唱える2面処理というよりも、ゴクガロイザー下で唱えて相手のデッキを機能不全にするカード。ランデスカードを足して2枚採用することでハンデスというゲームプランが効きにくい重めのデッキに対抗できると考えた。


光牙忍ハヤブサマル 1

お守り。特に言うことなし。



7. 最後に

前にも述べたように、僕はこのデッキでそこそこ勝ちこそすれど、特段すばらしい結果を残すことはできなかった。それでも、こうして考えたことを書き残しておくことで、誰かがハンデスという環境の向かい風みたいなデッキを使用するうえで少しでも貢献できたら嬉しい。


連日調整つきあってくれた方々、ブログに名前を掲載することを快諾してくれたおうち選手、ありがとうございました。